<第39回> 家計の暮らし向き評価はまだ慎重

  •  企業の景況感は、昨年12月時点で改善しました(日本銀行全国企業短期経済観測調査結果:景況感DIは全産業で+2%ポイント)が、家計は景気をどのようにみているのでしょうか。日本銀行が1月13日に公表した「生活意識に関するアンケート調査」(2016年12月調査)結果によると、「現在の景況感DI」は、9月時点に比べ小幅悪化(▲1.7%ポイント)しています。
  •  こうした景況感の下で、家計の収入DI(現在と1年前を比較)はやや改善しています。これは雇用環境の改善等が進む中で、給与や残業代が増えたり、落ち込みがなくなったことの現れでもありましょう。ただ、収入DIが改善してきている割には、暮らし向きDIの改善テンポが遅いのがみてとれます。円安による食品等の値上がりが進む中で、暮らし向きが良くなったとの実感が得にくくなっているのかも知れません。

  • (出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査<2016年12月調査>」結果より)

  •  この間、少し長い期間で「現在の景況感」と「先行き(1年後)の景況感」の推移を比べると、2008年のリーマンショック以降2012年頃までは先行きの改善期待が大きかったようですが、ここ数年は先行きに対する期待感が良くなっていない(1年後も現在と同じような景況感)ような印象を受けます。

    (出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査<2016年12月調査>」結果より)
  •  個人消費の回復が捗捗しくないと言われていますが、このアンケート調査結果をみても、収入DIに比べて支出DIの回復が遅れています。先行きに対する不透明感や不安感による面もあるでしょうし、1年後に結果として収入が増えていなかったので使えなかったという面もあろうかと思います。社会保障はじめ先行きの暮らしの展望に関する国レベルの対応と、現実的な収入の増加という企業レベルの対応の両者が相俟って、明るさが増してくることが望まれると感じます。

  • (出所:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査<2016年12月調査>」結果より)