<第68回> 雇用環境の変化を受けて初任給はやや上昇しています!

    (初任給はここへきてやや上昇し、男女の差も縮小しています!)

  •  2019年の採用スケジュールは、本年3月1日に企業エントリーが開始され、この6月1日に選考開始を迎えました。多くの企業では売り手市場といわれる環境の厳しさを背景に、インターンシップやワンデーインターン等の実施により、前倒しで学生との接触を図ってきたようです。就職先がほぼ決まった学生の皆さんも多いのではないでしょうか。
  •  さて、こうした中、学生にとって気になる初任給はどのように変化してきたのでしょう。厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査結果」をみると、平成29年の初任給(男女計)は、大学院(修士課程)卒233.4千円、大学卒206.1千円、高校卒162.1千円となっています。
     過去10年間の伸びをみると、平成19年から平成29年までの10年間では、大学院(修士課程)卒+3.7%、大学卒+5.3%、高校卒+4.1%となっており、その前10年間(平成9年→平成19年)の伸びと比べると、男女とも伸びが高くなっています。
  •  男女別の初任給(平成29年)をみると、大学院(修士課程)終了:男子233.6千円、女子232.4千円、大学卒:男子207.8千円、女子204.1千円、高校卒:男子164.2千円、女子158.4千円となっています。男女の差は徐々に縮小しており、かつ高学歴化するにしたがい、その差はなくなっています(<男子を100とした時の女子の指数>高校卒96.5→大学卒98.2→大学院終了99.5<なお、平成19年調査においては、大学院終了の初任給は女子が男子を若干上回っていました>)。
    性別・学歴別の初任給

    (単位:千円)


      (出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査結果(初任給)」より)
  • (企業規模別にみると、大学卒では中企業・小企業とも前年に比べ大企業との格差がやや拡大しましたが、高校卒では前年に比べ格差が縮小しています)

  •  企業規模別の初任給(平成29年・男女計)を学歴別にみると、大学卒では、大企業211.0千円、中企業202.5千円、小企業199.6千円、高校卒では大企業164.0千円、中企業160.7千円、小企業162.3千円となっており、いずれも前年を上回りました。
     大企業を100とした指数でみると、中企業、小企業は、大学院終了、大学卒では男女とも概ね94~96の水準に止まっています(この中で小企業では大学院終了の女性が大企業に比べ87.4の水準とかなり低くなっています)が、高校卒については、97~101の水準と、大企業との格差が相対的に小さくなっています。
    企業規模別・性別・学歴別の初任給(平成29年)

    (注)企業規模については、常用労働者1,000人以上の企業を大企業、
    100~999人の企業を中企業、10~99人の企業を小企業としている。

      (出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査結果(初任給)」より)
    企業規模別・性別・学歴別の初任給(平成29年)

      (出所:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査結果(初任給)」より)
  • (産業別にみると、情報通信業、建設業、学術研究・専門技術サービス業等で高めの水準となっています)

  •  産業別にみると、まず、技術系(研究開発、システム開発、プログラム開発、建築・製品設計等に従事予定)が事務系より高めの水準となっています。また、業種別には、情報通信業、学術研究・専門技術サービス業、建設業、教育・学習支援業等で産業計を上回っています。人手不足感の強い業種において、初任給を高くして、少しでも良い人材に来てほしいといった事情がうかがわれます。
    産業別、学歴別初任給(平成29年・男女計) 

    (産業計を100とした時の指数)


      (出所:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査結果(初任給)」より)