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18.10.18
2018年10月9日(火)から、金融機関による24時間365日の送金が可能となるサービスがスタートしました。これは、全国銀行協会(全銀協)が「モアタイムシステム」といわれる新システムを稼動させたことに伴うものです。これまで平日日中(午前8時半から午後3時)しか即時入金できなかったのですが、今後は平日夜間や土日祝日における即時入金も可能になります。全銀協に加盟する全国の金融機関の約500行が参加するとのことです。
さて、どのように利便性が良くなるかという点ですが、例えば、私たちが支払期日の夕方に入金忘れに気付いた場合、従来だと翌営業日にしか相手先口座に入金できませんでしたが、これが夜でも相手先口座に入金できるようになります。また、金曜日の夜に行った注文の代金についても、速やかに振込むことができます。
もっとも、平日の夜間、土日祝日の即時入金ができるかどうかは、金融機関やサービスによって異なりますので、注意が必要です。例えば、金融機関A行が取引時間を拡大していない場合には、平日夜間、土日祝日の振込はどの金融機関宛にも即時入金はされません。また、受取口座の金融機関B行が取扱時間を拡大していない場合は、基本的に翌営業日の振込等になるようです。したがって、平日夜間、土日祝日に即時入金したい場合は、振込に使う金融機関と受取口座のある金融機関の取扱時間を調べておく必要がありますね。
①平日夜間、土日祝日に預金口座の残高が増加する場合があること。
― 振込入金が行われることにより、平日夜間、土日祝日にも預金残高が増加するケースが出てきます。そのため、法人や個人事業主には業務面での確認(経理処理面で問題がないかの確認や入金日を基準とするサービスや契約の見直しなど)が必要になる可能性があります。
②平日夜間や土日祝日の取引を狙った金融犯罪に注意してほしいこと。
― インターネットバンキングでの不正送金や振り込め詐欺の発生が懸念されるとのことです。ちょっとおかしいと思ったら確認することがこれまで以上に重要ですね。
銀行間決済が即時に行われるようになると、最終的な資金決済も即時に変わるのでしょうか。私たちは、自分たちが口座を持っている銀行の口座残高が動くと、お金が振り込まれた(あるいは支払われた)という実感をもちますが、実際に2つの銀行同士で資金の最終的な決済が行われるのは、別の時点になります。すなわち、全銀システムは各銀行からの双方向の支払指図をまとめ、1日の業務終了後に受払いの差額(いわゆる決済尻)を計算します。それを全銀ネット経由で日銀ネット(日本銀行金融ネットワークシステム:金融機関等の資金決済を行う日銀のシステムです)に送信し、日本銀行にある金融機関毎の当座勘定が記帳されます。日本銀行にある当座預金勘定が動いてはじめて金融機関同士の資金決済が完了するのです。ただ、この日銀ネットは今回の24時間365日の銀行間決済には入っておりませんので、時間差による未決済リスクが残ることになります。
また、決済システムへの投資は多額になります。一方で、金融機関はフィンテックなどインターネットを利用した新しい投資も必要です。収益環境が厳しい中で、両面の投資を行う負担も決して軽くはありません。利便性を高めて、顧客に使ってもらうことは必要でしょうが、投資の負担との兼ね合いが難しいですね。