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19.06.13
こんにちは!ときわ総合サービスのおもてなし担当社員の「ときわん」です。
今回は身近なのにあまり知られていない「通貨記号」のお話です。
通貨記号とは領収書や値札など、ごくごく身近なところでも日々目にする「¥」や「$」のような記号のことですが、その成り立ちや背景についてはきちんと知らないものですよね。
日本や米国だけでなく、それぞれの国の通貨にはそれぞれ決まった通貨記号があります。
しかし、通貨の呼び方自体は知っていても通貨記号までは知らない、記号を見たことがあっても読めない、というものも多いハズ。
主要な通貨記号の豆知識を知ると、さらにお金に愛着が沸いちゃうかも?
まずは基本のお話。通貨記号の前提となる通貨コードについて説明しましょう。
通貨コードは「ISO 4217」という国際規格によって定められています。「アルファベット3文字」と「3桁の数字」の2種類のコードがあります。
アルファベット3文字のコードは、2桁の国コードと通貨名称の最初の1文字から作られます。
例えば
JPY(日本円)はJP(国コード)+Y(yen)
USD(米ドル)はUS(国コード)+D(dollar)
GBP(日本円)はGB(国コード)+P(pound sterling)
のように作られます。
通貨コードは通貨の発行国/発行地域数だけあり、同じドルでもカナダドル(CAD)とアメリカドル(USD)では区別されます。
例外としては、EUR(ユーロ)のように、この構造に従わないコードもあります。
一方、3桁の数字コードは、ISO 3166-1の国コード(001番~899番)が利用されています。
例えば、392(日本円)、840(米ドル)、756(スイスフラン)のようになります。ただし、新通貨等には、900番~998番の番号帯が割り振られており、ユーロは978となっています。
以上がISOの規格ですが、国内での商売など取引によっては明確に通貨を区別する必要がなく、その通貨単位をわかりやすく示すことができれば問題ないことがありますよね。
また、3文字の通貨コードなどでは具体的にその通貨名称をイメージしにくいこともあります。
そんな時にはシンボルとしての通貨記号を使用することで、より簡潔に通貨の単位を記述できます。通貨記号はその通貨の名称を短く表すために定められた、いわば「図形記号」なのです。
例えば領収書に「10,000円」ではなく「¥10,000」と記載するのは、国際的に円で領収したという証明ができるルールになっているからなんですね。
では私たちにとって一番身近な通貨記号である日本の円マーク「¥」について見ていきましょう。
日本の円マーク(¥)の歴史には諸説ありますが、明治時代に国際取引で通貨記号を使用するようになったとき、海外の通貨記号にならって、Yenの頭文字Yに横線を引いて記号としたという説が有力です。
確かに、ドル$やセント¢などは縦線が、韓国ウォン₩やユーロ€では横線が引かれています。
通常のアルファベットではなく、通貨記号であることを示すために線を引き入れているというのが通貨記号の成り立ちとしては王道のようですね。
ちなみにポンドなどでは「天秤」に由来し線を引くようになり、お金が神聖で価値のあるものという意味を兼ねています。
記号線が縦線か横線かの違いは、使用するアルファベットの形状によります。
縦線の多いYやWには横線が入っています。
中国で現在使用されている「人民元」も通貨記号は¥で表示します。
人民元の通貨コードはCNY(Chinese Yuan)です。
「元=ゲン」なはずなのに、なぜ同じ「¥」なのでしょうか?
これはもともと中国の通貨単位であった「圓」(Yuan)が、日本のYenに転訛したとの説が有力です。
ちなみに韓国のウォンは「圓」の朝鮮語読みです。通貨記号はWに横線を二本入れた₩マークが使用されています。
¥はアルファベットのYを模したものですので、手書きの場合、人によっては自分で描いたYの筆記体に2本線を使用する場合があります。
この¥は、しっかりと活字体の¥と記述しなくても、筆記体でも問題はありません。
ただし崩しすぎて、経理上読めなくならないよう配慮しなければなりません。
ここで有名な通貨とその通貨記号を見てみましょう。
名称 | 通貨コード | 通貨記号 |
アルゼンチン・ペソ | ARS | $ |
ブラジル・レアル | BRL | R$ |
カナダドル | CAD | C$ |
コロンビアペソ | COP | $ |
メキシコ・ペソ | MXN | $ |
エルサルバドル・コロン | SVC | ₡ |
米ドル | USD | $ |
人民元 | CNY | ¥ |
香港ドル | HKD | HK$ |
インド・ルピー | INR | Rs. ₹ |
日本円 | JPY | ¥ |
韓国ウォン | KRW | ₩ |
スリランカ・ルピー | LKR | ரூ |
タイ・バーツ | THB | ฿ |
台湾ドル | TWD | NT$ |
ベトナム・ドン | VND | ₫ |
欧州ユーロ | EUR | € |
英ポンド | GBR | £ |
とくに有名な通貨記号は次の3つですね。
・米ドル($)
ドルは旧ボヘミアの通貨ターラー(Thaler)に由来しており、独立前のアメリカに深く影響を与えたメキシコのペソ(PS)を重ねて書いたもの、とする説が有力です。
そのため一覧表を見てもドル、ペソに関連するものはドル記号が使用されていますね。
・欧州ユーロ(€)
ギリシャ文字のエプシロン(ε)とEuropeのEを模したもの。
とくにエプシロンはユーロ圏の歴史と繁栄を表現しているとされています。
・英ポンド(£)
天秤を表すラテン語、Libraの頭文字Lからきています。
元々ポンドは質量を表す数値ですが古代ローマではお金を重さで換算していました。
そのためお金の一単位をリブラ・ポンドと表現していたことが起源とされています。
参考までにインドルピーは比較的新しい通貨記号で、従来はRsでしたが、2010年に「₹」も使用されることになりました。
今後も通貨の統合や経済の発展により、新たな通貨記号が発表されるかもしれませんね。
通貨記号はその時代と共に進化し、通貨の浸透度合いや経済の発展伴う通貨制度の変更により、増加や統合を繰り返してきました。
約10年前に発表されたインドルピー(₹)など、これからも新しい通貨記号が発表される可能性もあります。
日本の円も、もとをたどれば中国や韓国と同じ通貨単位だというのも意外ですよね。
もともとは同じルーツの通貨が今ではそれぞれ違った発展を遂げているという歴史が垣間見られるのも、通貨記号の良いところではないでしょうか?